入賞作品
放送局部門
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烙印~人殺しと呼ばれた38年間~
- 福井放送(株)
- プロデューサー
- 吉田慎二郎、岩本和弘
- ディレクター
- 五十嵐康平
1986年に福井市の市営団地で起きた「福井女子中学生殺人事件」。その殺人犯として逮捕されたのが前川彰司さん (当時21歳)です。
逮捕当時から一貫して無実を訴え続け、逮捕から37年が経った去年、ようやく再審という開かずの扉が開き、今年3月に初公判が開かれました。判決は7月18日、名古屋高裁金沢支部で言い渡されます。なぜ裁判所の判断は二転三転したのか。
かつての証言者や事件当時を知る関係者、元裁判官、法医学者、弁護団が明かした真実とは。
殺人犯の「烙印」が押された38年間の前川さんの心の叫びに迫りました。(放送日は判決前。その後、無罪が確定しています。) ▼ -

情報は誰のもの?
~ごみ処理施設と情報公開~- RKB毎日放送
- プロデューサー
- 豆田秀和
- ディレクター
- 今林隆史
かつて炭鉱で栄えた福岡県田川地区。8市町村が共同で使うごみ処理施設が、建設費220億円をかけて大任町に建設 される。だが、同じメーカーが作った同規模の施設より約100億円高く、建設を委託された大任町は詳細な資料について「存在しない」と説明する。田川地区の議員らが費用の根拠を求めても応じていない。大任町長は「全国どこにもない」と語るが、他自治体への情報公開請求でその発言を覆す文書が出てきた。建設には、地元の負担が3割で残りを国が肩代わりする「過疎債」が充てられている。専門家は「一部地域だけの問題ではない」と警鐘を鳴らす。情報公開をめぐり揺れる地域を3年かけて取材した。 ▼
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ETV特集「独りでも、大家族 久留米・じじっかの1年」
- NHK福岡放送局
- プロデューサー
- 植松秀樹、梅原勇樹
- ディレクター
- 加藤麗
福岡県久留米市に週末になると子どもたちが集まる場所がある。食事をとったり、ダンスをしたり、くつろいだり。実 家よりも実家のように過ごしてほしいと、ついた名前は「じじっか」。子どもだけでなく、子育てに悩むひとり親や生活保護を受ける家族、不登校の若者もここに居場所を求めてやってくる。久留米市内のシングルマザー3人が立ち上げた不思議な空間。その活動から浮かび上がってくるのは、家庭内の問題が今、複雑化している実態だ。これまでの”居場所づくり”を超えて、本当に必要なサポートとは何か。番組では“実家のように”全力で支える活動に1年間密着。現代の家族のありようや課題と向き合う取り組みに迫る。 ▼
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映像25
「歪んだ正義~止まらぬ攻撃の先に~」- MBS毎日放送
- プロデューサー
- 橋本佐与子
- ディレクター
- 吉川元基
兵庫県知事をめぐる内部告発文書問題の発覚後に一人で職員アンケートを取った丸尾牧県議。なぜか「疑惑を捏造した」 という嘘の情報がネット上に出回り、迷惑電話や嫌がらせのメールが大量に届くようになった。積極的に行っていた街頭の活動を控え、事務所の看板を一時撤去した。6年前、次女がキャンプ場で行方不明になった小倉知子さんは情報を求めてメディア取材を受けたあと自分を犯人視するSNS上の投稿が増え、逮捕者まで出た。誹謗中傷や嫌がらせを受けていた時の心境を今は冷静に語る。
2人はそれぞれの方法で「歪んだ正義」を振りかざした人物と対峙する。 ▼ -

西の国境を見た 〜与那国島 500日の記録〜
- NHK沖縄放送局
- プロデューサー
- 生田寛
- ディレクター
- 片山厚志
日本の西の国境、台湾まで111kmの与那国島。有事を念頭に、自衛隊駐屯地の拡大、機能強化が続く。ただ、島で は「国防」を巡る話は半ばタブーになってきた。2016年の自衛隊配備、その是非をめぐる激しい対立が人間関係に影を落としているからだ。一方で、自衛隊とその家族は島民の5人に1人に。過疎が進む中、急速に存在感を増している。ところが2023年、有事の際には全島民が島の外へと避難する計画が示された。集合場所、移動ルート、荷物のサイズ…あまりに具体的な説明を受け、島の空気は変わり始めた。「守ってくれるはずだったのに、私たちが島を出なければいけないのか?」。激変する島の日々と、そこに生きる人々の記録。 ▼
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警察官の告白
ー鹿児島県警情報漏洩事件を問うー- 鹿児島テレビ放送
- プロデューサー
- 四元良隆
- ディレクター
- 前田慎伍
2024年5月、鹿児島県警の元幹部が逮捕された。本田尚志元生活安全部長。札幌のジャーナリストに捜査情報を漏洩し た疑いだった。 「組織のトップである野川本部長が職員の犯罪を隠ぺいしようとした」というのがその理由。札幌のジャーナリストは本田元部長から届いた文書を福岡のウェブメディア「ハンター」にデータ化して送っていた。その「ハンター」にも現職警察官から内部情報が寄せられていた。巡査長は逮捕され、「ハンター」に強制捜査が入った。この時、札幌のジャーナリストが送った文書が発覚し、本田元部長の逮捕につながった。近代警察の始まりから150年。 “公正な社会とはどうあるべきか”、警察官の告白は問いかけていた。 ▼
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悌子と修 ~兄妹が辿ったふたつの沖縄~
- 琉球放送
- プロデューサー
- 吾津洋二郎
- ディレクター
- 比嘉チハル
宮古島出身のジャズシンガー齋藤悌子88歳。アメリカ統治下の沖縄で約10年にわたって米軍基地のステージに立ち続 けた。戦地の赴く兵士のために歌った悌子には、基地反対の姿勢を貫く兄がいた…牧師の平良修。90歳を過ぎるまで、一度も妹の歌を聴いたことがなかった。基地をきっかけにすれ違った兄妹。沖縄戦、占領下、そして現在…兄妹がたどった2つの沖縄をたどるドキュメンタリー。 ▼
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映像は紹介文下部のリンクからご覧頂けます
ザ・ドキュメント
さまよう信念 情報源は見殺しにされた- 関西テレビ放送(株)
- プロデューサー
- 宮田輝美
- ディレクター
- 上田大輔
【検察vsメディア】強制捜査で情報源が"鑑定医"だと特定された前代未聞の事件 供述調書引用の本「僕パパ」が物議 「さまよう信念 ~情報源は見殺しにされた~」
〈カンテレ・「ザ・ドキュメント」〉
https://www.youtube.com/watch?v=K7qpU9M7x64 ▼
ケーブルテレビ部門
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山に恋する 獣と暮らす
- 株式会社大垣ケーブルテレビ
- プロデューサー
- 山本聖斗
- ディレクター
- 山本聖斗
親が離婚。自身も夫の暴力や金銭トラブルといった理由で2度離婚。さらに妹の死で姪と甥が残された。様々な苦労が あった彼女は4人の子どもが巣立ったのを機に、人生第二章は人里離れた岐阜の山間部へ移住。猟師にもなったが、ここでも苦難はあった。目の前で人が熊に襲われる瞬間を目撃しフラッシュバック状態になるわ、飼い犬に噛まれ傷を負うわ、猟は上手くいかないわと、憧れだった暮らしとは程遠い日々。それでも気にかけてくれる猟師のドンや地域の人々との交流、離れて暮らす夫の献身的な支えで傷は癒えつつある。今後も彼女は山に恋し 獣と暮らすだろう。
<https://youtu.be/XNhjn6CKYbc?feature=shared
大垣ケーブルテレビ公式チャンネル> ▼ -

あなたへ~盲目の詩人 小泉周二~
- 株式会社JWAY
- プロデューサー
- 関一敬
- ディレクター
- 大場丈夫
「水平線」という詩は、長年、国語の教科書(東京書籍)に掲載されており、小学4年生の子どもたちが毎年春、最初の 授業で学んでいます。
著者は茨城県ひたちなか市在住の詩人、小泉周二さん。15歳で難病の網膜色素変性症と診断され、以来、病気と闘いながら詩の創作を続けてきました。作品では、小泉さんの詩とエッセイを紹介しながら、今を生きる詩人の生活と信条を描きました。 ▼ -

掌のアイデンティティ
~時代を生き抜くハンコ屋の挑戦~- 株式会社日本ネットワークサービス
- プロデューサー
- 伊藤太一
- ディレクター
- 松村涼平
昭和から平成にかけて最盛期を迎えたハンコの町が今、後継者不足に加え、デジタル化による脱ハンコの流れで、苦境 に立たされています。そんな中、大正7年創業のハンコ卸メーカー「原田晶光堂」の3代目原田弘さんは、新しいハンコ文化の創出を目指そうと、創業100年の節目に海外進出に乗り出します。日本では道具として意味合いが強いハンコですが、海外では自身を表現するアートアイテムとして受け入れられています。インバウンド向けの体験会や、伝統の技と最新技術を融合した商品開発など、ハンコ文化を再び輝かせようと奮闘する原田さんを追いながら、時代とともに変化していく伝統産業の姿、そこに生きるハンコ屋のこれからを伝えます。 ▼
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つないだ命の先に
- 株式会社CAC
- プロデューサー
- 石川欣也
- ディレクター
- 竹内康人
愛知県半田市に住む西尾敬太さん(大学4年生)は、小学6年生の夏に重度の心臓病を患った。余命15分と言われた状況か ら補助人工心臓をつけるなどして、奇跡的に一命を取り留めた。しかし、治療法はなく海外で心臓移植するしかなかった。海外で心臓移植するために必要な費用は1億8,000万円。小学校の子どもたちや保護者が1か月間に渡って募金を呼びかけた。そして、全国にも支援の輪が広がり、目標金額を達成した。心臓移植によって日常生活を取り戻した敬太さんは大学生になり、臨床工学技士を目指している。今度は自分が救う立場となって、患者に寄り添った医療を提供したいと願う。 ▼
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わたしはアナスタシア
~長崎を愛するウクライナ人~- 株式会社長崎ケーブルメディア
- プロデューサー
- 斉藤礼子
- ディレクター
- 塩田祐希
戦禍のウクライナから長崎へやってきた、アナスタシア・ストラシコさん。長崎大大学院に通う25歳です。母国を愛す る彼女は、故郷のために何かしたいと行動を起こします。
今、自分にできることは、ウクライナ文化の魅力を発信すること。オリジナルブランドを立ち上げ、多くの製品を紹介し販売しています。笑顔の素敵な彼女ですが、母国を思い出さない日はありません。今も家族は戦禍のウクライナにいます。平和を願い、歩みだしたアナスタシアさんの姿を追いました。 ▼ -

NEXTEP~地域から…未来への提言~
砂浜が消える…九十九里浜で進む海岸侵食- 広域高速ネット二九六
- プロデューサー
- 藤本健太郎
- ディレクター
- 萩谷智弘
東京オリンピックのサーフィン競技の会場になるなど日本有数の砂浜海岸として知られる千葉県の九十九里浜。 近年、海水浴場が次々と閉鎖に追い込まれている。砂浜が侵食されているためだ。海岸侵食により海岸線が最大で90メートル後退しているところもある。侵食が進むと高潮や高波の被害を受けやすくなり、海水浴場として利用できなくなるほか、貝類がとれなくなるなど地域の生業にも影響が。番組では海岸侵食がもたらす地域への影響、対策と課題、地域の合意形成の課題、地域住民101人への街頭調査、先進的な取り組みを行っている他地域の海岸を取材するなど30分番組、計14回の放送でこの問題を考え、課題解決に向けた「提言」を発表する。 ▼
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富山大空襲 記憶のバトンタッチ
- ケーブルテレビ富山
- プロデューサー
- 小泉光瑠
- ディレクター
- 鈴木佑実
富山大空襲から約80年、体験者の生の声を取材できる時間は長くない。ウクライナの惨状を目にして口を開くことに した牧野敦子さん、絵画で体験を伝える徳永幸子さん、20年以上出前講座を続ける佐藤進さんら大空襲の体験者の元へ足を運び、当時の「記憶」を聞く。取材を続ける中で、6歳で大空襲に遭った僧侶・松原弘欣さんが亡くなり、戦争体験者が年々減少する現実を突きつける。
記憶のバトンをつなぐため、戦争体験のない次世代の語り部が動き出した。体験者の佐藤進さん、娘の亜希代さん、孫の七虹さんが大空襲の体験を家族間で継承し、語り継ぐ活動を模索している。私たちは、戦争の記憶をどう未来につないでいけるのだろうか。 ▼
市民・学生・自治体部門
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たべるってなに?
- 白田一生
- プロデューサー
- 白田一生
- ディレクター
- 白田一生
娘の誕生を機に、東京から沖縄やんばるへと移住した「私」。「コンビニ外食」が当たり前だった頃とは違う、 家族での暮らし。
「隣の人の顔も知らない」が当たり前だった都会暮らしとは違う、地域の共同体の中での暮らし。そんな日々の中で自分に芽生えた1つの問い。たべるってなに?
自分そのもの、人とのつながり、自然とのつながり、土地とのつながり、社会のありよう、地球のありよう・・・
これはきっと深いテーマに違いない。よし、カメラを持ってやんばるの先輩たちに会いに行こうー ▼ -

大学生、震災を歩く
Episode3:能登半島地震から半年
~初めてのボランティア~- 関西大学齊藤ゼミ
- プロデューサー
- 齊藤潤一
- ディレクター
- 尾崎加奈、新谷和、隅田嵐、中川朋奈、長井祭、難波春佳
阪神・淡路大震災や東日本大震災を経て、「震災に強い国」とされる日本。 しかし2024年元旦の能登半島地震では復 興が進まず、仮設住宅や避難所への支援も不十分なままだ。現状を広く伝えるため、私たちは災害支援団体「CODE海外災害援助市民センター」吉椿雅道氏のもとで、初めての震災ボランティアに参加。
仮設住宅でのかき氷提供や足湯、倒壊した寺の清掃作業などに取り組んだ。被災地の現実に触れ、被災者の声を記録した本作は、YouTubeチャンネル「関西大学ドキュメンタリー劇場」で公開。震災の今を伝え、復興への関心を呼びかける。 ▼ -

それでも私は… -SL専務車掌の現在地-
- 日本大学芸術学部放送学科 坂本亮真/岡遥歩
- プロデューサー
- 坂本亮真
- ディレクター
- 坂本亮真/岡遥歩
SLから望む美しい自然の車窓が自慢の静岡・大井川鐵道。
そこにはいつも、専務車掌の楽しいパフォーマンスとハー モニカの音色があった。しかし、2022年の台風15号の影響で、沿線各地で土砂崩れが発生し、一時は全線が運休に。現在も一部区間では復旧の見通しが立たず、多くの職員が他の部署や業務に配置転換を余儀なくされている。完全復旧を目指して奮闘する中、専務車掌たちも厳しい経営の波に直面。
新しい居場所で、彼らは今、何を思い、どんな未来を見据えているのか。 ▼ -

特別なイロ
- 武蔵大学社会学部メディア社会学科 米村信之助
- プロデューサー
- 米村信之助
- ディレクター
- 米村信之助
とある特別支援学校。ここに通う子どもたちは、それぞれがそれぞれの生きづらさを抱え、教職員と共に日々を過ごし ています。
本作では「高等部2年生」に密着し、ひとりひとりにスポットを当てながら、学校での生活を紐解いていきました。日々の楽しさ。抱える悩み。将来への希望と不安。ここに映るのは、子どもたちが一歩ずつ、しかし確実に歩みを進め成長する姿と、いつの日か薄れてしまう日常の風景です。「特別」と題していますが、その基準はきっと曖昧で、広がる風景の捉え方は人それぞれ。
この映画を観たあなたの「特別」のモノサシが変化するかもしれません。 ▼ -

山奥の小さな楽器店 ラモシオン
- 皇學館大学 大学生テレビ局 赤松芽衣
- プロデューサー
- 北村拓音
- ディレクター
- 赤松芽衣
皇學館大学文学部コミュニケーション学科2年の赤松芽衣さんは1年生の頃からギターを始めました。 地域の楽器屋さんや音楽に関する取り組みについて調べていたところ、松坂にラモシオンという楽器店があることを知り、取材させてもらうことにしました。 お店や音楽活動についてのお話をお聞きする中で見えた、音楽を通した垣内さん親子の絆がありました。 ▼
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ふつうの家族
- 佐藤虹(大阪芸術大学芸術学部放送学科)
- プロデューサー
- 佐藤虹
- ディレクター
- 佐藤虹
私の母はシングルマザーで、弟は自閉症だ。大学進学をきっかけに実家を離れ、初めて家族を俯瞰し、自分の家族が 「普通じゃない」こと、自分がそう考えてしまうことに嫌悪感を抱いた。通信制高校に通っている弟は、今年の夏に行われたスクーリングに、最後まで参加することができなかった。小学校・中学校と、なかなか登校することができていなかったが、本人の意思を汲んで、母は高校進学を後押ししたという。その選択が正しかったのか、どこまで応援するべきなのか、悩んでいることが、母との会話から感じられた。
はたから見れば苦労が多い家庭に見られるが、シングルマザーの母と、自閉症の弟、これが私の「ふつうの家族」なのだ。 ▼ -

#伝えたい沖縄
- 琉球大学人文社会学部 人間社会学科マスコミ学コース
- プロデューサー
- 大城藍礼、雨瀬萌乃
- ディレクター
- 大城藍礼、雨瀬萌乃
政府が新基地建設をすすめている、名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前。2024年11月、そこに数人の大学 生の姿がありました。
インスタグラムで、沖縄の文化や社会問題を伝える活動をしている「Sustainable OKINAWA 」のメンバーです。サステナブルオキナワは、沖縄県に思い入れのある学生たちがインスタグラムを使い、沖縄の文化や社会問題を学生の目線で発信しています。
サステナブルオキナワは、今回初めて辺野古新基地建設について取り上げることにしました。新基地建設への反対運動が行われている現場に足を運んだメンバーは、基地問題を伝えることの難しさを感じると同時に、沖縄から発信することの大切さを学びました。 ▼ -

命を届ける場所~灯が消える前に~
- 上智大学文学部新聞学科 吉田理乃
- プロデューサー
- 吉田理乃
- ディレクター
- 吉田理乃
神奈川県茅ヶ崎市の住宅街にある小さな牧場「かきざわ牧場」。三代目の博さん(60)は家族と共に、70年間続く 家業を守り続けてきた。
地域の子どもたちにふれあい体験を提供し、牧場の生乳は地元ブランドのアイスクリームの原料となるなど、開かれた牧場として地域に愛され続けてきた。 しかし、ウクライナ戦争や円安の影響でエサ代が高騰し、経営が悪化。数年前、設備故障で廃業を決意したが、地域住民のクラウドファンディングで救われた。 それでも経営は回復せず、今年6月、博さんの体調不良も重なり、ついに廃業を決断。子どもに継承を求めることなく、地域に根ざした酪農の灯火が消えゆく現実を通して、日本の酪農の厳しい状況を描く。 ▼ -

終わらない過去に生きる~おれたちの伝承館
- 東京大学大学院情報学環「おれたちの伝承館」班
- プロデューサー
- 日笠昭彦
- ディレクター
- 丁可、稲永真守梨、塩田実咲
福島第一原発から16kmの南相馬市小高区。震災後、5年間にわたり帰還困難区域となったこの地に、2023年「俺たち の伝承館」が誕生した。
本作は、そこで展示される記憶のかけらと共に、3人の語り手の証言を通じて「帰還」の現実を描く。愛する畑に戻った女性農家、置き去りにした牛たちを悼む元酪農家、今なお放射線を測り歩く元原発作業員。それぞれが背負う喪失と葛藤、そして小高という土地に込めた思いが交錯する。削られた土、かじられた柱、放射能に汚染された酒瓶――語り部なき後も作品が静かに語り継ぐ、あの日の痕跡と生の証言。 ▼
高校生(中学生)部門
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一歩ずつ前へ -新体操部の軌跡-
- 兵庫県立尼崎西高等学校
- プロデューサー
- 中川航志
- ディレクター
- 西涼太朗
尼崎西高校男子新体操部。インターハイ常連校でしたが、2023年度は部員数が1名となり、廃部の危機に直面しまし た。そんな中、昨年5人の新入部員が入り、新たなスタートを切ることに。
しかし、1年横井聖七さん以外の4人は新体操未経験者。7月のデビュー戦に向けて、団体演技を形にするのに苦戦します。
部長の都甲正人さん、マネージャーや顧問の支えのもと、大会に挑む彼らの奮闘を通して、困難な事にも一歩前へ挑戦することの大切さを伝えたくて制作しました。 ▼ -

架け橋
- 兵庫県立尼崎西高等学校
- プロデューサー
- 中川航志
- ディレクター
- 中川航志
神戸市灘区に阪神淡路大震災の記憶を次の世代に語り継ごうとする団体「あすパ・ユース震災語り部隊」があります。 高校生を中心に、震災を経験していない若者およそ30名が参加しています。
私たち放送部は彼らの伝承活動に1年間に渡り密着しました。被災者のお話を聴き、経験したことのない30年前に起こった震災当時の状況を学び、それを語り継いでいく。
どんなに時が経っても、震災の記憶は絶やしてはいけない。「伝えることをあきらめない」彼らの語り部活動に迫りました。 ▼ -

学校つくりたい!(ロングバージョン)
- 桜丘高校 放送部
- プロデューサー
- 田村優有
- ディレクター
- 谷嘉葵
34万人の不登校を生み出している日本、その現状を変えようと、放送部のメンバーが立ち上がった。本校は全校生徒 の7割が不登校を経験し、寮生活をすることで克服し、放送部のメンバーも全員元不登校。まずは、校内の生徒にインタビューを行い、克服の理由を調査した。
その結果をまとめ、寮のある公立中学校の設立の提案書を作った。その提案を確実なものにするために、保護者の会や大学の教授、フリースクールなどに意見を求めた。地元市議会に取り上げてもらえないかと、市議会議員や教育委員会に交渉したが、子供の減少などで、新しい学校を作ることは上手くいかなかった。しかし、文部科学省とのやり取りで、新しい方向性を見出すことができた。 ▼ -

未来は足元から
- 錦城高等学校
- プロデューサー
- 宗田茉愛
- ディレクター
- 三宅夏芽
錦城高校では、登下校時にローファーを履くことが校則で決められており、足の不調を訴える声が多く上がっている。 長時間ローファーを履いて歩くことの影響について、医師にお話を伺った。また、「#KUTOO運動」について参議院議員の小池晃議員にお話を伺った。企業の取り組みについては、東京メトロの社員に、制服の意義について、制服研究者の森さんと校長先生にインタビューを行った。
さらに、靴の専門家に、制作メンバーが履いている靴を診断してもらい、ちょっとした工夫で機能性を改善できることが分かった。
自分の足について考えることが自分の未来を作ることにつながると感じた。
https://youtu.be/xrcxpJYUq38?si=fO06z0DuMZpb6PYt ▼

